とにかく考えた、事・方法論を書くことにした。

最近は雑記ばかり。サーフィンと読んだ本に関して考えた事などを書いていきます。

七瀬ふたたび 筒井康隆

第3章七瀬 時をさかのぼるで、時間移動ができる超能力者に遭遇し時間移動を行う。他の話は、時間一切関係ない。笑



七瀬ふたたび (新潮文庫)

七瀬ふたたび (新潮文庫)



■時間移動のみ

誰から見られていても駄目。移動後の物体と重なっては駄目などわりと一般的に良く聞く制限のみだし、短編ということもあって時間移動してすぐ問題解決というあっさりした展開。他の時間モノなどと比較して、何の飾り気や特異性もみつけられなかった。端的に言えば、普通。





■実は3部作

超能力者である七瀬を主人公とする作品は3つあり、ふたたびの解説を読むに作者渾身のかなりの大作らしい。なので時間モノを期待する読者にはむしろ一切紹介しないで、純粋に3部作を読むつもりで読んだほうがいいと思う。
家族八景
七瀬ふたたび
エディプスの恋人



(以下解説より抜粋)
七瀬3部作は、家族ー国家ー神を主題とする筒井スキャンダラス神学になっている。3部作目は、ギリシャ神話のパロディ的再生になっており、ここから振り返ると全体はオレスティア3部作に似てくる。

(さらに後半抜粋)
アパートの部屋で七瀬が破瓜する時に、彼女は女神と身を入れ替えて恒星系の生成から消滅を見るというシーンは、神聖であるが、同時に、「イクーーッ」ということの宇宙論的解釈のように猥褻である。


しかし、上記解説を読んでも残念なことに、どういう意味で大作なのかはまったく理解不能だ。笑 まぁ大作らしいので時間モノとして先入観や偏見を持たずに読んだほうがいい作品かもしれない。