とにかく考えた、事・方法論を書くことにした。

最近は雑記ばかり。サーフィンと読んだ本に関して考えた事などを書いていきます。

『7人の証人』を読んで 作:西村京太郎

トラベルミステリー(電車や時刻表のトリック)で有名な西村京太郎作品に手を出してみた。ただ、自分は鉄オタではないので、あまり電車に関係しない作品を選んでみた。表題作のあらすじは、島に誘拐された7人。それは皆1年前の或る事件の証人であり、7人を集めた首謀者によって、1人1人の証言の再検証をしていくという内容のものである。

七人の証人 (講談社文庫)

七人の証人 (講談社文庫)



この本を読んで得たことの結論から述べると、ミステリーとサスペンスの違いを認識できたこと。ひいては自分の好みがどちらよりなのか認識できたことである。自分はサスペンスが好きだ。




■ミステリーとサスペンスの違い

ミステリーはトリックのことであり、サスペンスはトリックの舞台や状況、文脈といったところだろう。トリックとは言うまでもなく、密室を創り出す物。凶器を誤魔化すもの。アリバイをうそぶくモノなどなどいろいろある。言い換えるなら、殺人事件の犯人を包み隠そうとする罠だろう。
一方でトリックの舞台や状況、文脈的なものとは、周囲から隔絶された孤島での事件とか。連続猟奇殺人事件だとか、意図的な殺人ゲームだとかであり、言い換えるなら、殺人が起こる状況設定自体の奇抜さとでもいえるだろうか。


■自分の好みの話と絡めて・・・・

この7人の証人、かまいたちの夜インシテミルうみねこの鳴く頃になどなど、自分はそういうサスペンス要素の強い作品が好きだということだ。それは連続殺人への発展や、自分の身も危険になるといった、スピード感やスリルが作品に付け加えられるからだと思う。その危機迫る感じが好きなのだろう。推理という枠を超えてサバイバルなどまで視野に入れて話のテンポが進むのも同様だ。


■総評

上記の視点に気づかせてくれたことに加え、サスペンス的な要素は視たこともない展開であったため非常に面白かった。驚きの連続だった。しかし、肝心のトリックは残念な所があると言わざるを得ない。自分は推理力がある方だとは思わない。しかしそれでもこの本に関しては探偵役が、謎を解く前にトリックの肝になる部分についてなんとか到達できたのだから。
一応、西村京太郎の名探偵シリーズを3冊購入してみたのでソレも読んでみることとする。