タイムクエイクを読んで
全然あらすじと違う!!
以下原文引用
2001年2月13日、時空連続体に発生した異常―タイムクエイクのために、あらゆる人間や事物が、1991年2月17日へ逆戻りしてしまった。ひとびとはみな、タイムクエイクの起きた瞬間にたどり着くまで、あらためて過去の行為をくりかえさざるをえなくなる。しかも、この異常事態が終わったとき、世界は大混乱に・・・!
- 作者: カートヴォネガット,Kurt Vonnegut,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/02/01
- メディア: 文庫
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■某新潮文庫のあどがきよりも、酷い!!
以前、武者小路実篤が好きで、新潮文庫出版の『友情』や『若き日の思い出』などを読んだ。それらのあらすじも相当ひどかった思い出があるが、今回はそれ以上だった。実篤の場合はあらすじではなくて物語の要約になってしまっているため、あらすじにオチまで書いてあるという代物で酷かった・・・。
タイムクエイクのあらすじが酷いのは、それが本編の内容とまったく異なるからである。
物語になっていない
2P〜3Pの短い話が60近くで本作は構成されている。それらの短い話は、各話ごとにほとんど関係なく視点も固定されていない。60個まとめてあるがだから何なのだろう???
時間移動が出てこない
作中でタイムクエイクという言葉自体は確かに出てくるが、だからといって、主人公や登場人物が時間に翻弄されるわけではなく、何か説話や訓話めいた短い話をして終わりになる。短い話ごとの関連性もほぼないため、読み進めれば様々な視点からタイムクエイクについて理解できるという構造にもなっていないし・・・
■最後に
言わなくてもわかってるだろうけど、あえて言う。
読むに値しない。SFとしてといった限定的な意味でもなんでもなく、物語としてなっていないと思う。本当に言いたいことや何を書きたいのかさっぱり意味不明である。あらすじ(物語の設定)はそれなりに面白そうだっただけ、非常に残念だ。