とにかく考えた、事・方法論を書くことにした。

最近は雑記ばかり。サーフィンと読んだ本に関して考えた事などを書いていきます。

サーフィンの上達、2枚目の板選び、ボード選びの視点から

◆はじめに

サーフィンを3年してきて、すこしサーフィンというものがわかってきたギリギリ中級者が、サーフィンの相棒、サーフボードと上達についていろいろ語ろうと思います。

 

 

 

 

 

浮力が少ない薄くて短い板 と 長くて厚い板 の上達

 浮力が少ない薄い板ほど、技術が必要になる。言い換えるなら、その板を乗りこなそうと体と頭がフル回転して、技術を習得していくので上達する。例えるなら、車のMTとATのギアチェンジのようなもので、ATに乗っている人は、当然MTの技術は必要ないので、身につくわけがない。必要になるから、人間は不足に気づき、工夫や努力をして身につける

 

 

 サーフボードでいうならば、繊細な足裏感覚や、ボードレールを鋭角に入れて保持する技術、パドルがしんどくなるならその分腕の回し方を工夫するなどなど、そういう類である。つまり、選んだサーフボードのレベルまで技術が育つということで、上達するには、極力薄くて短い板に乗った方がいいのだと思う。

 

 

 

 

 

 

◆筋力体力や、技術の限界

 ただし、じゃあだれもかれも薄くて短い板を買うべきかというとそうではない。筋力体力、技術の限界が、その人とその人の年齢に応じてあるからである。また、努力練習できる持ち時間にもよる。例えば、ケリーすれーたーと同じ姿勢、同じ踏み込みでないとボードコントロールできない板があるとして、もし乗りこなせれ(上達すれ)ば、ケリーと同じ技術筋力が手に入るわけだが、当然そううまくはいかないことは誰しもわかるだろう。プロとは体の骨格や体重からして違うのだから、生まれ持った違いでどうしようもない部分すらある。

 

 

 長くて厚い板は、現実との折り合い、自分の得手不得手をカバーしてくれる存在であること。あるいはステップアップしていく段階として存在するものだとおもう。言い換えるなら、極薄い板から、自分の能力限界に合うように厚くしてきた結果か、初心者の頃の相棒として。逆に、熟練者ながら体力筋力の衰えとともに厚くしていく等。

 

 

 

 

 

◆ステップアップ方式で起きること。初心者は厚い板から!でいいのか

 

ステップアップ方式。1枚目は長い厚い板。2枚目は少し薄くとしていくことで生じるトラブルや課題をあげてみる。

 

 

1、ショート乗り方とミドル以上乗り方の差異。

大前提として、サーフボードは後ろ足、テール荷重でコントロールする。ショートボードは片足で、ミドル以上はボードの上でステップしてそれを行う。ショートの場合、荷重をかけるべき場所、必要ならば軽いステップをしたうえで、荷重をかけられる窮屈な姿勢を作る。場所と姿勢の2点である一方、ミドル以上は、荷重をかけるべき場所に向かう1点である。

 

 

 つまり、ショート乗りは、多少のアレンジはあれどミドル以上にも対応できる複雑な技術が身につくのに対し、ミドル以上乗りがすぐにショートに対応できるというものではない。(独特の窮屈な姿勢技術を追加で習得する必要がある。)

 

 

 ステップアップ方式を採用するとしても、ショートの乗り方を追求したいのか。あるいはステップの乗り方を追求していきたいのか。その点を明確にするとともに、自分のスタンス幅=身長にあったボード長さが必要だと思う。いずれはショートに乗りたいけれどファンボードからデビューなどは効果的とは思えない。(姿勢を作る&前後の足で荷重をコントロールする技術が身につかないので。)ショートという名前で、身長よりも長すぎてターンするにはステップする必要があるような板は、それはその人にとってのショートボードではないと思う。

 

 

 

 

2、ボード長さとスタンス幅と浮力

 明確な数字を出すとなると経験値不足すぎて、はっきりとしたことは言えない。しかし、ショートボートに乗りたいとするならば、長くても、自分の身長+10~15センチまで等、長すぎないボード=自らのスタンス幅でボードの重心を跨げて、ファンボックスの上(デッキパット)に後ろ足が楽に乗るボードが良いと思う。しかし、初心者向けとされる身長よりかなり長めのボードの方が、スピードが出やすい、パドルが速い。テイクオフが速いという楽(サーフィンの楽しさのライディングまで近道)であることも確かである。

 

 

浮力に関しても、経験値不足で明確な数値は出せない。しかし、あるめりっく?等のサイトがだしている身長・年齢・運動能力から算出した(かなり少なめに見える)目安リッターでもいいのかもしれない。自分は最初は体重の76%の板。2枚目の今が52%とステップアップしてみて、76から52にしたときには、パドルも波待ちもテイクオフも、すべてがたがたになった。ただ、では最初から52スタートだったらと考えると、余計に苦労した部分もあっただろうが、それはそれで、もう少し早く上達できたようなきもする。

 

 

 

 

◆ステップアップ方式の詳細考察とタイミング。

上記の1と2の大前提を踏まえたうえで、ボードが技術を育てるとするならば、では具体的にどんな技術で差異があり、どういうタイミングで次の板にうつるべきかを考えてみる。

 

             厚  薄  極薄

パドル          3  4  5

ゲットアウト関連     1  4  5

ドルフィン(ダックダイブ)1  3  5

波待ち          4  5  5

波を選ぶ・波を見る    1  3  5

テイクオフ        4  5  5

横へ滑る         2  4  5

ボトムターン       1  3  5

アップスダウン      1  3  5

カットバック       1  3  5

トップターン等      0  ?  5

 

 

あくまで個人的見解だが、上記のような技術水準になると思う。厚(70~80%)、薄(50~60%)、極薄(40%台)。厚い板であっても、パドルやテイクオフ、波待ちといった技術に関しては、その基本が十分身につく。一方で、ターン系や波を見る技術などは育たない。そして薄くしていけばいくほど、難易度の高い技術が身についていく。

 

 

自分が初めてパドルしたときはものの5分で、腕や首がぴきぴきとなった。それがいつしか2時間は海にいられるようになっていく。細かい腕の動かし技術は様々あれど、腕を回すという筋肉は、厚い板でも最低限鍛えられる。波待ちもテイクオフも同様である。ある程度できるようになれば、薄い板に変えたとしても、波待ちやテイクオフが全くできなくなることはない。但し、新しい板でのバランスのとり方やテイクオフポイントに慣れるまで2,3か月(7,8回)はかかった・・・。成功確率が極端に減り、正直しんどい時期。

 

 

なお、ゲットアウト関連。パドルで推進力があるので波の動きなどをみずに進めてしまい、厚い板では技術が身につかない。浮力がありすぎて波にボードが流されやすく、さらに沖へは逆にでにくい点もある。ドルフィンは浮力がありすぎてそもそもできない。ボードの滑り出しが速く、失速も少ない=板が勝手に走ってくれるので、波を選ばなくてもそこそこ走れた気になってしまう。波を吟味しなくなる。

 

 

 

 

◆ステップアップ方式のタイミング

筋力に自信がある。テイクオフできなくても、ただ波と接していれば大満足。金銭的に何本も板を買えない。車や保管のスペース的に長い板を買えない。すべて合致すれば、いきなり薄いや極薄に挑戦してもいいと思う。あるいは、挑戦してダメなら厚い板におとしていくスタンスで、薄い板から始めてもいいと思う。

 

 

一方、ステップアップ方式を採用するならば、まずはショートかミドル以上かを決めたうえで、自分の身長(スタンス幅)の浮力厚めの板を選ぶ。テイクオフができ、横に滑る(レールをいれる)ができたら、薄い板へチェンジ。薄い板になった後は、ターンや斜面の蛇行のとっかかりがつかめたら、もっと薄い板へと変えていく。

 

 

 

 

◆おわりに

新しい板を購入すれば、”いきなり”上手くなるわけではありません。新しい板で、今まで不十分だったことや不足に気づいて、意識が芽生え、練習することで技術が身につく。むしろ、できないことが沢山見つかる分、新しい板に乗り換えると失敗が増えます。気が沈みます。でも、そこから無理してでもやっていれば、体が慣れてきて、いつのまにかできるようになっていく。楽しいとそんな感じです。

 

 

今日は有意義で練習になった、壁を破ったという思い出の日はいくつかあります。そんな日はおしなべて、浅瀬でぎりぎり波が割れる(白くなる)、波の力がとても弱い、無風寄りで、自分しかいない日でした。パドルしなくても歩いて割れるポイントまでいける(パドルで疲れずに何度も練習できる)。そして板に飛び乗った勢いで板が滑り出す。波の力が弱いので、滑りださないことも多々あるし、滑りだしてからも徐々に失速していくと、自分の荷重ミスに気付いたり。波の力がなく、滑り出しや滑ってからもゆっくりゆっくりなので、自らの動きのチェックが落ち着いてじっくりできる。人がいないのも遠慮なくすきにできて良し。

 

 

上達に悩まれている方は、板を変えてみるか、落ち着いてできる波が極弱い日に練習してみることをお勧めします。