サーフィン 波について1から考えてみる 良い波に出会うために。
◆はじめに
風がない日がいい。オフショアがいい。天気の良い日はいい波の日が多い気がする。等々。各人とも良い波に出会う経験値はなんとなくあるだろう。ネットでいろんな情報も出回っている。しかし、なんというか感覚が違うのか、ネットの有料情報サイトで斜面の状態を見ればいいという金出せばいいやん主義。現地にいって、海に入る前によく観察しよう。必要ならば別のポイントに向かう。という現地主義が多い気がする。
自分がせこいのか、違う気もするが・・・。ガソリンで排気ガスバンバン出したくないし、好きなものをもっと知りたいし、原理原則を知っていきたいという探求心が強い。
上達に向けて、横に滑れる”良い”波を見分ける必要性を痛感し、いい波に出会うことを追求していかなければいけないと思う。というわけで、今回は波について、常識を捨てて1から考えてみようと思います。ただ、はじめてみると物理学の話で、なんにも浮かんでこなかったので本を探してみました。
↓読んだ本。
◆波について、基本から知らなかったことまで。
・沖合の遠方で吹く強い風が、波(うねり)を作る
・遠方の水が届くのではなく、水を上下させる(声と一緒で、振動が波がつたわる。)
・うねりの波長の長さ(山から山までの長さ)によって、速度は変わる。時速30キロや、時速720キロのジェット機なみもありうる。
・様々な波が作られ、動く速度も高さも長さもまちまちだが、絵の具が混ざるように、波は重なり合い新しい形になる。しかし、また離れると元の形に戻って進んでいく。(波の独立性)
・ちょっとずつ違う様々な波が重なり合い、重なり合うことで、速度や波の大きさも変化する。逆に小さくもなる。波の群れ。群速度なども関わる。
・波長の長さの半分以上ぐらいに海底があると、海底の深さ、海底を感じて動きを変えていく。
・もっと海底が浅くなってくると、波長と波高が変わり、速度が遅くなるとともに波高が高まり、山がとがってくる。波長(山から山)の7分の1の高さになると崩れる。
・浅いところではゆっくりになるということから、海から来たうねりが多少向きはあろうと、岸にむかってまっすぐな向きに整えられる。海の等深線にならってうねりはくる。岸から横に進む波はない。
・波形勾配(波高の波長に対する比。要は波が高い)が大きく、海底勾配が緩やかだと、崩れ波となり波頭が白くあわあわになりながらも、長くのこる。穏やかにエネルギーがなくなる。
・波の山が前方に崩れ落ちるように崩れる波は巻き波。うまい人のサーフィン動画だとよくみる。
・他は崩れているのに、海のその部分だけ崩れていないとすれば、穏やかに見えるそこに離岸流が発生している可能性がある。それを利用すれば逆にサーファーは沖に出やすい。
◆波に関するにわか個人見解。要追加勉強。
・海底の形がすべて。ポイントがすべて。
波が崩れる(割れる)という現象に一番関係しているのは、海底勾配の占める割合が大きいと思う。波の向きが様々あれど、結局は海底の形(浅い深い)で、向きを変え速度を変え、波を割れるような形に整えて、ただ割れる。
水深が浅い岸では(すでにもっと沖よりで割れていて)割れないし。海底勾配が緩いときも、波長波高がある程度以上になってしまうような波だと、崩れ寄せ波のようなくずれながらだらだらと岸までむかう波になる。あるいは、普段割れる場所よりずっと沖寄りで割れたり、ダンパーで一度に割れる。どれもサーフィンには向いていない。
例えるなら、海底の良しあしは、的の広さといえるかもしれない。他のポイントでは悪い波であっても、その海底なら整えられて、そこそこに割れる(的にあたる)。一方で、的の狭いポイントでは、そのポイントに合った一部の波でしか、サーフィンに適した形ではわれてくれない(的に当たりにくい)
変幻自在の波だから、海岸線を走っていたら、その日だけはすごくいい奇跡のポイントがあるなどと勘違いしていた。海底が悪ければ、どうあっても悪い。逆にいいポイントは、あそこはいつもいい波がたっている、立ちやすいなとなるわけだ。
・波が小さい時は、干潮を狙う。
波が海底に整えられて、割れる。波が小さい時は、海底が浅くないと割れないので、干潮を狙う。
・良い波とは、あるいはそのポイントに合った波が作られるとは。
海底の良しあしで、そもそもそのポイントの良しあしがある。しかし、届く波によっては、そのポイントに適していて、サーフィン向けにきれいに割れることもあるかもしれない。良い波、そのポイントに合った波とは、その海底勾配に適した、波長と波高の波。そして、いろいろな波長がまざっていない一定の波(あちこちでわれるジャンクな波ではなく)だけが届くような状況だろう。
・波の発生地点からのポイントまでの離れ具合
・波の発生地点の風の乱れ具合(発生地点の気圧の進行方向)
・ポイント付近での風の影響。
波は波長(風の吹かれ方によってバラバラ)により、すすむ速度が異なる。発生地点から離れれば離れるほど、速度の違いで同じ波長の波だけにまとまっていく。大海原を進むうちに途中で割れなければ、エネルギーが喪失はしないので、太平洋とか大海原の海岸の方が、まざっていない一定のまとまった波が来やすいと思う。
そして、波を発生させる風と密接に関連する低気圧の動き方も重要だろう。ゆっくり西から来た波と、早く東から来た波がぶつかれば、それぞれではまとまっている波でも、波同士が絵の具のように重なり、割れる位置やらなにやらがジャンクになるだろう。必要な分だけ、ぴゅっとふいてすぐ風がやめばよいのに・・・。苦笑
最後はポイント付近の風の影響である。岸付近では、海底が浅くなるのにあわせて波の動きもゆっくりになり、波待ちの付近では、人の速足速度ぐらいになる。風速何メートルの風だろうと、影響はでてくる。しかし、これはオフショアがいいという話以上の波への影響力は弱いようにも思う。
◆最後に
自分の普段いくポイントで、
1、いつもそこそこいい波がたちやすいな・・・(人がいるな)というポイントを見つける。
2、そのポイントに合った波が来る日を判断できるように、そのポイントに合った波高、波長の日を見つける。
3、干潮やオフショア等の、最後の味付けもチェックする。
という流れになろう。ただ、2の原理原則の理解は非常に難しいと思う。ただし風の強さは、低気圧のヘクトパスカルで予想がつくだろうし、気圧の動きを見れば、風の動的な動き(波の動的な発生状態)も予想がつくようになるはずである。うーん、離れているほど、波がまとまってくる理論でいえば、太平洋側ならば波の波高への意識だけでいい波にである。日本海側よりもいい波の日が多いのではないだろうか。うらやましいし、一度行ってみたいものである。
パワーのある波、厚い波、ほれてくる波、サーファーの目から見た波の状態を表す言葉や状態は様々あるので、もうすこし勉強を重ねて、物理的に説明や因果関係を説明できるようになりたいものである。できれば、最小コストの人工物で、完璧な波が立ちやすいように海岸を加工するなんてところまでいければいいものだけれども。