私が彼を殺した ネタバレ注意&歓喜!!
人生初!! 推理小説の謎解きをしっかりできた。
謎解きの技術はすこしずつ進化していて、今作でやっと念願叶ったのだ。
ただ、実は原作のトリックは破綻している。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/03/15
- メディア: 文庫
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原作の破綻は、取り替えられたピルケースについていた指紋である。殺害直前に取り替えられたのだから、事件当日についた笹原や西口の指紋は本来ついていないはずである。しかし、事件後に調べられた結果、彼女らの指紋がついていたと加賀は述べていた。(一番最後のページ)
【あなた方の指紋+他の1の指紋があった】という表現が、【あなたたちの誰かの指紋+他の指紋】という日本語なら、破綻はしていないことになるが、そうは解釈できない・・・はず。
この破綻した指紋のせいで、本当は解けない。しかし、作者はこの人をその取り替えトリックを使った犯人にしたかったんだなと、深く推理できた。推理できるようになって感じたのは、推理っていうのは、最後に犯人がわかることは当然で、作中の前半で事件が起きた時に、
・何を調べなければいけないのか。
・犯人を捜すのにどの情報が重要になるのか
そういう重要なところがどこかわかる感覚を手に入れることでもある。今回だと、それは凶器として使われたカプセルの数が鍵だと気づくことであり、その事件前の数と事件後に残っていた数。そして、各自がどの順番でそのカプセルを奪ったのか。コレをすぐに疑ってかかることだ。この推理の神髄を抽象的に述べるなら、アリバイから、動機から、状況証拠から、凶器から・・・・犯人を絞る考え方は数多くあるが、今回の事件だとどの考え方が一番絞り方として最適かわかる力。うーん。推理はこのレベルに到達していくんだなぁ〜〜〜と感じさせられた。