とにかく考えた、事・方法論を書くことにした。

最近は雑記ばかり。サーフィンと読んだ本に関して考えた事などを書いていきます。

物語における主人公とは?? 本題は恋愛物の主人公を探る。

前回のやや続き。
【物語の世界観】、【事件や展開のありよう】、そして【主人公】。物語(エンタメ作品)を作るには、この3要素がその根幹に思える。人によっては、当たり前の話かもしれないが、今まで作り手の視点はなかったので、今更ながら物語の製作、今回は主人公のありかた論について考えてみようと思う。



帰納法的に主人公のありかた論を探る

これまでの漫画・アニメの鑑賞経験を洗い出しつつ、帰納法的に主人公の特徴や魅力、必要な要素、鍵をみつけたい。



ドラゴンボール 孫悟空
・どんな敵にもめげずに、あきらめずに戦う
・常に強くなる事を念頭に、ストイックに修行
・やつがいればなんとかしてくれる!と頼りになる。



○バキ バキ(バトル物繋がり)
・因縁を持つ親との勝負。親に勝ちたい。
・小柄な身体ながら、独自の特訓や開眼で半端なく強い。
・あくなき向上心



○タフ キー坊(またまたバトル)
・小柄な体ながら、継承者として秘伝の技を駆使し、技術を駆使し勝つ



修羅の門 陸奥
・小柄な身体ながら、継承者として無敗の伝説に生きる
・どこかぬけてたり、ひょうひょうとしているところがあるが、勝負中は別人。修羅の生き様


バトル物を中心にしか抽出していないが、主人公とは、物語のテーマ、理想を体現できるプロセスを持つ存在に他ならないと思った。バトル物のテーマは当然”強さや最強”ということになるので、修行や過酷さを乗り越え、強い敵にも立ち向かっていく精神性や、そのひめたる技術や技、異種格闘技や異次元の強さの敵にもくらいつき倒す、そういう要素や特徴を持っている。しかし、当然、主人公は最強の存在としてはじめから最強であるならば、物語として面白みも何もないわけで、”最強を体現してくプロセスを歩める存在”といえるだろうし、らくらく最強になられても困るので、ハンデや欠点を克服していく、苦労して紆余曲折あっての最強となる。




◆恋愛モノの主人公とは

君に届け
・ピュアホワイト、目立つ存在ではないが誰よりも優しく綺麗な心を持っている。



失恋ショコラティエ
・失恋を引きずりながらその感情を糧に、そして悪い男をも目指しながら一心に彼女を振り向かせようとする。



桜蘭高校ホスト部
・男装君と愉快な仲間達。男装君の真実や本質をついていくところで仲間達の関係も変化。(主人公の影は薄く、世界観メインの物語?)



○いちご100% ラブコメだからか・・・
・優柔不断、情に厚く、力は弱いが親身に真剣になってくれる。
(主人公の影は薄く、ヒロインの魅力アピールの材料?ヒロインありき。)




恋愛物の主人公は、バトルより複雑そうである。第1に、純愛路線かコメディ含み路線かで、主人公らの”欠点””抜けてる””優柔不断”度合が、全く変わるからである。少年漫画ラブコメの主人公なぞ、ヒロイン達の間で右往左往する、そのちょっとアレな要素を持った典型といえる。一方で、少女漫画の中でもとりわけ純愛路線の作品では、普段どんなことを考えていて学校ではどういう立場で、家庭環境はなど、内面性に関わる要素が表現され、そんな○○な女の子の恋愛が上手くいくという彼女の生き様と恋愛の成功をおっていく。


第2に、主人公とヒロインの問題がある。格闘物と違い最初からラスボスを相手にひたすら時間をかけて戦い続けるみたいなのが恋愛物なので、人気がなければ次の敵をだすというわけにはいかず、ヒロインと主人公のいわばダブル主人公を考える必要があるからである。


第3に、主人公は大して意味を持たず、世界観や展開の要素を主軸におく手法もありうる。エロゲーや萌え系などのように、主人公に同一視、同一化を期待するような作品を考えると特にわかりやすいだろう。7人の妹がいきなり現れて、好きな妹とのデレデレ生活のような、主人公は、ヒロインの魅力を最大限に引き立てるだけの存在に過ぎない場合もある。


格闘技や強さとは何か?という指標と違って、可愛い、愛、愛しい、和む、悶える、萌えという内面的で心情的な指標、評価、判断構造は複雑であるゆえに、恋愛・愛物はこういった複雑性を持つのだと思う。



どんな人物だったら最高の恋愛ができるのか
最高の恋愛とは何か。
その相手の人物は誰か、どういうところが好ましいのか。
どんな恋愛がしたいか。



世の面白い作品とにらめっこしつつ、流行やエンタメ視点を取り込みつつも、結局は自分の心が望む方向、”理想の恋愛”を見つめて詳細を作っていくと、そういうことなのだ。内面に問いかけていくしかない作業で、自分の願望や欲を明確に知るという苦手な人には苦手な作業かもしれない。そして、経済でも創作でも結局は強欲が勝るというのも、なんともあれな救いのない話だ。