とにかく考えた、事・方法論を書くことにした。

最近は雑記ばかり。サーフィンと読んだ本に関して考えた事などを書いていきます。

読者の心を掴む、感情移入とはなにか 感情移入を最上段におく物語作り。

◆はじめに

起承転結、面白い展開、オチ、リアリティ。作品を形容したり、作品作りにおいて色々な視点や基準があると思う。しかし、前回の記事で述べたように、誰かに伝えたくなったり、その人の心に痕を残す、作品を好きになってもらう、そういった語り継がれる作品は、その作品作りの最上段に、読者の心を掴む、心を揺さぶる、感情移入させるにはどうすればいいか?を常に置いてあるように思った。そのため、どういうポイントや要素が、共感・感情移入に関わってくるのか1から考えてみる。



◆心の動きの流れ

内容に感情移入させるには??を考える前に、少し丁寧に順をおって読者の思考をなぞってみようとおもう。、


1、作品への興味関心を持つ
2、作品に接する、読み始め。
3、作品のあたりはずれ、面白いかつまらないかの印象が決まり、読み進めるか戻すのか。
4、展開や台詞に伴うキャラクターの紆余曲折に感情移入し、感動する。



おそらく、こういった流れだろう。ただし、作品作りや物語論の範疇は上記2〜4の部分であり、1の部分は、広告戦略に主に関わる部分である。どういう広告を出すのか、呼び込みの文句・紹介をするのか。大賞という触れ込みや、売れ行きPR、帯、見出しやあらすじ、表紙絵などなど・・・。とはいえ、中身を等身大以上に広告しても、当然最後の4にいくまでに、離れていくだろう。



◆心を掴むとは

テレビで見て、帯の触れ込みが凄かったから、なんとなく手に取った・・・。と1の段階を通過して、これから中身に接し始める読者がいると想定して、2の段階心を掴む方法や心を掴むという事について考えてみようと思う。



読みはじめはどこを見ているのか、どんな風にみているのか。
冒頭から1文ずつ読み始める人、ぱらぱらと少し流し読みし始める人、あとがきから読む人、まぁ様々なパターンがある。それは媒体毎の、自由に読み飛ばし(早回し)が可能か、早回しでも大意がつかめる漫画または動画なのかもかかわる。まぁただその根底には、あらすじ、登場人物、期待する展開(キーワード)等の、作品の大枠、概要を読み解こうという意識があると思う。


・あらすじや広告から読者が期待したものが、十分表現されているか。
・飽きるまでの間に、続きを読みたくなる展開があるか。


前者は、読者がその作品を手に取るに当たって期待した期待を十分に含んでいるかである。例えば、女の子同士が絡んでいる表紙だから、百合作品かどうかと中を確認してみることだったり、ミステリ好きが、”探偵”という言葉に足を止め、どんな事件、どんな探偵か??と気になって開くような、読みたい系統を自覚し目的を持った読者による、確認や選別、これまでのそのジャンルとの比較をする心理である。一方、後者は、直感的に惹かれた読者が、面白そう→面白いかどうか??と、漠然と読みすすめていく心理である。






言い換えるなら、前者と後者はそれぞれ以下のようになる。
・ジャンル買い、作者買いといったなにからしらの系統、カテゴリで惹かれた読者に向けた本作の特徴や特異点を、どういう形でどんな風にアピールできるのか?


項目
1、主人公(キャラクター)
2、目的・目標、
3、テーマ(主人公の歩む道のりや思考行動、読者に伝えたい事)、
4、世界観・フェチズム


別記事で書いたが、物語の大枠である主要4要素は上記の通りである。作者の考える特徴的だと思うところを前面に押し出す。特に目的を持って読む読者の場合は、なおさらそのジャンルに精通しているので、差異を明確にする。今まで読んだ事がないと思わせられれば良いが、反面、そのカテゴリ作品とある程度重なる部分がなければ、期待していたものと違いすぎると、手を止めるだろう。






・重要な冒頭からの数ページに、どんな工夫や表現テクを用いる事で、続きを読みたい、読むことに集中させる、読む気にさせることができるのか?


項目
1、結論、実利(物語論の範疇ではない)例:我慢しないでちょいやせ脅威の5キロダイエット
2、謎、事件 ミステリやサスペンス的な手法(収束的で明確な問いかけ) 誰が殺した!?
3、状況の進展変化 (拡散的で曖昧な問いかけ)謎のウイルスで〜、こんな二人の恋愛模様
4、好感や快の蓄積 キャラクター小説やキャラ作品。4コマ。人物。ファン心理。


続きを読む(見る)ということは、この先どうなっていくのか、答えはなんなのかと興味を持ち気になっている状態であり、答えがあるのだから、当然、問いからすべては始まっていく。その問いと答えの先を気にならせる(興味を持つ)ベクトルは、上記4つであると思う。勿論、それぞれ両立する。


どういう答えならば、興味を持ってもらえるのか。(問いから透ける答えが陳腐なら誰も知りたがらない)
その答えに興味を持ってもらえるように、どんな良い問いかけ方があるのか(問いがそもそも伝わらなければ終わり。)


1のように、実利という明確なものならば、これを読めばこんなメリットがあると問いかけ、明確な言葉でわかりやすくできるだけ簡潔に表現し、答えを与えればよい。しかし、物語論の範疇にある部分は、そうシンプルではない。2,3,4をうまくブレンドしたり、また物語的表現という迂遠なやり方で、読者の気を引かなくてはならないのだ。ただ、一般的には、人物に焦点を当てたものか、状況に焦点を当てたものが多い。


魅力的な主人公、魅力的なヒロインやライバルやら主人公と対になる人物を登場させ、彼がこの先どうなるのか?と問いかけ気を引かせる。あるいは、人物が陥った特別な状況設定、人物の壮大な能力や思想の獲得から、この状況はどうなっていくのでしょう?という状況を問いかけ、気を引かせるのだ。


つまりしょっぱなにぶちこむ、魅力的な人物の描き方と、魅力的な状況の描き方をとりあえず心得る事で、読者にもっと読んでみようと思わせ、集中してもらったところで、本題の感情移入へと導けばよい。



○魅力的なキャラとは
・ギャップ





○魅力的な状況とは
・すさまじい能力の獲得
・入れ替わり




↑ 帰納法的に漫画を読みつつ研究中。





◆共感や感情移入とは

感情移入=登場人物の感情の起伏に、読者が自らの感情を重ねる事。自分のことのように受け止める事。



ではどうすれば登場人物と読者の感情を重ねる事ができるのだろうか。それは、人物の選択(行動)と、読者の選択が一致する事にある。言い換えるなら、読者が見ていて、私もそういう状況なら同じ選択をすると自然に感じられるかどうかである。



1、直感的な印象把握
まずはこれまで書いたように、作品に集中し始める前段階として、なんか面白そうとか、なんとなく・・・、という印象や雰囲気から物語の世界に入っていく。なんとなくスキ、なんとなく好印象。そういう個々人の好みが出るところではあるが、直感的に好印象だと思わないと、そもそも話をきこうとすら思われない。ただ、個人の好みや直感なので現状間単にまとめられない。



2、問題や事件の大枠を理解
必然か偶然か、問題を放置表面化等したときの不利益や、それがおきる現実的可能性、問題と原因の因果関係、問題の根深さや困難さ。


すべてはっきりさせる必要はないが、問題や陥った状況の重大性や、それが確かに訪れる事、そしてそれが破滅に繋がる事。ヤバイことを十分に読者にも理解してもらう。登場人物たちが事件や出来事を前に右往左往するのなら、登場人物以上に、その出来事について読者も理解しておく必要がある。



3、主人公と問題の関わり
その問題は主人公にとってはどんな不利益を起こすのか、主人公はその問題に対して一体何が出来るのか?影響力。主人公にしかできないことなのか。主人公はその問題を解決して、どんな利益があるのか。達成は実現可能なのか。コストと報酬は見合っているのか。


警察をなんでよばないのか?自分の手におえないのなら、誰かに助けを求めないのか?など、読者が人物の行動に疑問を持つと、そこで集中は途切れる。



4、選択や行動
1〜3の事象や事実、思考を踏まえて、問題や状況解決のために、プランを立て実行する。目的と合致しているか、遠回り過ぎないか、その選択に効果や合理性は見込めるのか。


1つでも滞ると、読者は離れていく。ある程度読者が思考・なりきるのに過不足なく情報を伝えたうえで、その情報の繋がりや論理の流れも、読者にとって抵抗のないものにする必要がある。



5、リアリティの欠如、知識不足、誤字脱字
子供の話を大人が聞き流すように、尊敬するものや人にしか、人は真剣に集中して臨まない。刑事は2人行動が基本とか、あれこの作者は知らないのwと作者<読者の知識量になると、そこで下に見られ作品や作者の尊敬は失われる。同じく、誤字脱字などのミスも尊敬を失わせることになる。





感情移入と感動の違い。

さてここからは、感動移入の先にある感動について検討していく。上記で述べた理論は、感動1つ手前の感情移入に必要なさ件である。そもそもそれを逸脱すると、読者の集中が途切れてしまい離れていく。言い換えるなら、上で述べた事は、感情移入(作品世界に読者が没入)する方法論であり、感情移入=すなわち感動ではない。



では、どういう時にどんな風に感動をするのだろうか??感動とはなんだろうか。