『ヒトクイマジカル』を読んで 西尾維新 作
- 作者: 西尾維新,竹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/07/05
- メディア: 新書
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先の記事で、戯言を言うためだけに物語が展開している……と書いたと思う。今回もそんな感じだ。トリックも謎解きもないようなものだ。ただ、戯言の方向性という物はあるらしい。本作では、極度に偏った運命論が語られている。
【いつか、どこかで、同じような事をしただろうさ。仮に、それが俺じゃなくても俺のような奴をあいてにな。代替と後回しだな。】(意訳)
物語のメタ性について語り始めたともとれる、キャラクターが好き勝手に動かされていて、それに役割をあてはめていて・・・とかいう物語理論。
人間の生き方への問を投げかける人生論かもしれない。どうせ何をしたって無駄さ。なるように・・・それは俺じゃなくて誰かが変わりにするだけだろうし。大筋って物があるんだぜなんていうような。
もうそろそろ次回作を読む気がしなくなってきた。戯言が冗長すぎる。今回の作品でもそうだ。事件が始まるまでのエピソードや舞台作りも必要だとは思うが、それが半分近い100〜200ぐらい使うのはいかがなもんか。事件が起きた瞬間にまず思ったのは、もっとはやく此処に辿り着けよ。という感情だ。一応、終わっているということなので読み切ってみようとは思う。しかし、最終章の3冊もまた厚いときているのが滑稽だ。