推理ゲームの作り方のメモ システム面 〜推理ADVと推理ノベルの違いから〜
本数は少ないながらミステリ系のゲームはいくつか発売されてます。wikiでも見てもらえば、すぐ分かりますが、私のプレイ経験(知識レベル)の参考材料として、タイトルは若干うろ覚えながらさっと思いついたものを列挙しておきます。
・かまいたちの夜 シリーズ
・逆転裁判シリーズ
・御神楽少女探偵団
・クロノス探偵?
・ユーラシアエクスプレスなんちゃら
・殺意の階層?
・オホーツクに消ゆ
・トリックロジック
・夜想曲
・コナンシリーズ
・金田一シリーズ
等
今回の趣旨は”探索・調査系ミステリ ”と”思考系ミステリ”のベクトルの違いと推理ゲームにおけるシステム性について。
◆探索・調査系ミステリと 思考系ミステリとは?
結論を言うと、推理やミステリの面白さとは何か!?という製作者の問いと答えが最初にあって、それを最大限に表現しようと突き詰めた結果、様々なシステムが開発されたのだと今更ながら気づいたということです。これはゲームではなくミステリ小説の話の進め方でも言えることでしょうね。
探索・調査系ミステリゲー (主に推理ADVがこれ。)
事件の捜査・調査の過程が一番面白いと考えた人が作ったゲーム。自分で動き情報を集め、その情報を結びつけて、さらに新しい行動へとつなげていく。事件を”行動”で分解していくプロセスを重視。特に、御神楽少女探偵団がこの系統の代表作だと思います。
自分好みの系統ではないので、この手のゲームはあんま面白くないとただ、右から左に流してましたが、好きな人もいるからこういう作品が生まれたんだと今は反省してます。
また仔細は異なるものの、館等からの脱出ゲームもこの系統に属すると思います。Dの食卓とか青鬼、コープスパーティのような類の奴です。館の中を色々調べて、アイテムを見つけたり情報を手に入れてすすめていく。
情報獲得プロセスにもしっかりしたシナリオやストーリーが求められ。情報をどう小出しにしていくのか。どういう方法で入手させるのか。途中で次の事件がおきたり、常に変化していく状況などをどう描くのか。
思考・推理系ノベルミステリゲー (テキストメインのゲームシステム)
とある事件の不可能性・不可解性における問いへ、様々なノイズの中から必要な情報を見つけ選び出してつなぎ、論理的解答を考える部分が一番面白いという人が作ったゲーム。事件の核である問いかけを”まず集中的に”思考で分解し、犯人の行動や思考の流れを完全解明する。情報が出揃った段階からスタートしてもいいぐらい。トリックロジックが代表作。
自分好み。この系統は、ゲーム(絵や動き、音)である必要性が薄い。ゲームとして作りこむなら、問題文の補足説明の部分と、プレイヤーの解答とのすり合わせ部分に限定される。後者は、犯人の名前の選択肢選びだけのシンプルなものから、犯人がトリックに使用したものに関わる3つのキーワードを選べな複雑なものまで色々。
◆ミステリゲーにおけるシステムのあり方。
自覚的に自省して、ミステリの何処に面白さを感じるのか??を見つけることが出来れば、それが自分の作りたいミステリゲーのシステムになると、至極あたりまえのことながら……、その意味がようやく噛み砕けた気がします。
さて、では理屈を踏まえて試しに色々考えてみます。
関係者達のうそや矛盾を暴き、見破ることが一番面白いかも?と考えれば、
証人・証言・会話系ミステリゲーとなります。複数人の会話等から、ある人物や事柄の矛盾が見つけられるようなシステム。最近プレイしたフリゲですが、デーモンズゲームがまさにこれでしたね。あるいは、アパートの住人から聞き込みして、うそをついてる人を見つけるゲームなんてのも見かけた気がします。
話す内容が変化するシステム作りが大変そうです。質問できたり、ある話を聞いていると話が進展するフラグ立てなどなど。
ある特定の疑わしい(事実犯人)を自白させるために、脅しなだめすかせ論破し屈服させるのが一番面白いかも?と考えれば、
逆転裁判に代表される、矛盾指摘、論破ゲーになりますね。自白に焦点を当て、会話を装ってぼろを出させたり、プレッシャーをかけて自白させる取調室ゲーなんてのもできるかもしれません。そういえばデカボイスという声でキャラを操作したりキャラと会話する3Dアクションゲーの取調べシーンはまさにそんな感じだった。後フリゲでは、相談にのってもらうゲームのシステムもこの系統でした。
◆まとめ
ミステリを読んだり推理系ゲームをプレイしていて一番面白いのはどういう時ですか?
この問いに明確に答えられれば、それをそのまま表現できるゲームシステムへと話を進めていけばいいと思います。あるいは、逆に完成品を参考に自分の好みや自分ならもっとこうすると考えてもいいと思います。上で挙げた例のゲームでもやってもらえれば、ちょっとは何かみえてくるかも。
とはいえ、プロット作りや本文よりも、このシステム作りが一番というかめちゃくちゃ大変だと思います。音楽や絵やタイトル、フォント、いくらでもフリーがあるご時勢ですけど、そのまま使えるシステムなんて殆どないんじゃないでしょうか。RPGツクールや類するソフトを利用するのは一案かもしれないです。
◆ぼやき
最後に行き着くところは、自分だけのミステリゲー(システム)という名の、ブレンド加減次第になってしまいますよね。
ミステリは分解してしまえば
情報収集
・聞き込み(目撃者や当事者の証言、警察関係者の話、会話)
・現場調査(遺留物、証拠、時間確認)
・媒体閲覧(新聞、ネット、日記、本、メール、掲示板)
・思考(一般的知識や集めた情報をを前提にしたうえでの思考)
推理
の2段階になるわけで、無限の方向(系統とシステム)があるわけではない。上で挙げた試しに考えてみたものも、情報収集の1つの方法を特化しただけですし。難しい。サークル?ブランド?安楽椅子犯人のとうじょミステリの穴探しなんて斬新だったのもあったし、考えればでてくるんだろうか。