(アニメ)結城友奈は勇者である 全体の感想と指摘 ネタバレアリ
◆はじめに
百合スキなので、時々ソレっぽいかもと思う作品を鑑賞します。今回は、タイトルの作品をみました。で、なかなかポテンシャルはあったのに、色々な点で損しているアニメだと思ったので、その辺を振り返りつつ、物語力向上の為、私的再構築でも試したり、製作の上で重要な点でも見つけられればと思いあれこれ考えてみます。百合アニメって程ではなかったです。一応。
TVアニメ「結城友奈は勇者である」character songs 勇気のバトン 特別盤(CD+DVD)
- アーティスト: VARIOUS ARTISTS
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2016/03/02
- メディア: CD
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◆説明不足と、ご都合展開
あらすじは、主人公らが、ある意思に選ばれて変身するバトルもの。後半、変身能力の代償や敵の真実に絶望したが、根性で乗り越えて、なんやかんやで代償も取り戻したとそんな話。
・全部で12体という嘘情報必要?
→ 12体ぐらいも倒せればまずまずであるため、嘘の目標でモチベをあげるため??
・満開の代償を知らせない意味はあるのか?
→ 1回目はまだしも、2,3回と満開するたびに代償が増えれば普通に気づくし絶望する。
・戦闘訓練皆無、何故メンバーを鍛えないのか?
→ 使い捨てにするよりは、実戦経験あるメンバーらを少しでも長く使おうとするのが普通では?満開なしでも戦えるレベルになれば、損失少ないのに。
・敵情報の提供も大してない。
→ 同上。メンバーらの戦闘成績の向上に努めないのか
・勇者の代替わりとか、欠員補充とかどうなってるの?
→ どういうタイミングで切り替わるんだろう。途中補充とかないん?
・なぜあのタイミングで園子と接触を許し、真実を一度に教えたのか
・満開の代償は何故急になくなったのか
・まだ敵を壊滅させたわけじゃないが、戦い続けるのか?後輩に任せるのか?
と気になっていた点を列挙しました。まぁここまで気にする人は少数派かもしれません。結局のところ、この手の物語は、主人公(の視点を借りてる読者)が、知らない、気づかないことで、単なる好奇心のはずが、苦難や絶望に陥る。あるいは、ある情報を信じて問題を避けようとしたものの、もっとひどい結果が待ち受けている。しかし、その苦難を主人公らは乗り越えるという流れになる。そのため、”知らない真実”が、”隠されていた必然性”と、それが”開示される理由やタイミング”、そしてそれらと大筋の整合性が必要で、それがないと、ご都合主義とか、説明不足とか、ちぐはぐな印象を与えてしまうのだと思います。
◆知らない真実、隠された真実とその開示
今回で言えば、大赦という影組織が情報を隠す必要性がそもそもないはずなんですよね。そこでちぐはぐな感じがしてしまう。
バーテックスとの戦いで言えば、知っているべきだと思う。
・戦闘経験を蓄積していくベテランを長い間使うほうが得なので、ある程度訓練し敵に対する知識や情報を教育するほうが望ましい。
・戦闘中にボイコットされたら、世界が終わるので、事実を教えても戦える人物を選抜するか、最低1人リーダーは統率監督のために知っているべき。精神適性は弱いが、それを上回る潜在能力でもあって選ぶなら、ボイコット・反乱対策でも仕込んでおけばいいのに。
そして、急に園子から暴露される真実。伝えられたからどうなるものでもないのに、全部知らされてしまい、東郷は精神を病むと。なんでこのタイミングで教えたのか?教えてどうしたかったのか?それがいまいちわからない上に、唐突だっただめ、消化不良。
◆個人的に再構築 創作練習として
ここからは気になる人だけ読んでもらえれば。真実の隠し方と、知らされるタイミングをどうすればよかったのか考えて創作してみようと思います。
1、大赦は完全サポート役、後処理程度。
大赦が勇者らを管理しているような印象を与えると、上述の隠す必然性に抵触してしまうので、誰が選ばれるか断定はできないし候補者が多すぎる為、事前に教育もできないみたいな感じにして、神様の力を与えられた人々をサポートしたり、過去の記録を蓄積管理している位で、何かあれば情報提供してくれる存在ぐらいの地位に落とす。神の意志が大事だから、下手に口を挟んだりしないということで、聞かれなければ満開についても話さない。
2、一人の勇者の影響で、部員らも勇者になった。
大赦に管理された結果でないとすると、勇者が一箇所にあつまる理由がなくなるので、太陽のように輝き勇気をあたえ、周りを導く的な意味で、真の勇者(主人公)のせいで部員らが勇者に惹かれ勇者のような人間になりたいと感化されて適正が上昇したから選ばれた。これは主人公の後の苦悩ポイントにもなるはず。
3、手記や大赦抗議グループ?によって真実を知る。
元勇者の手記とか、生け贄システムに完全に納得していない人も普通出てくると思うので、そういう人たちからの接触の結果で、元勇者の友達と再会したり、実態を聞くでもよかったのかと。
4、代償の扱い。
生け贄としてとか、満開の代償に身体機能の一部を失うだとネガティブすぎるし、最後に代償が戻ってくる理由付けに困るので、力を開放する条件として、神に近づく=人間の殻を捨て去っていくみたいな方法論でパワーアップしていたのを、”心のあり方だ””祈りのありかた”を見直して、代償を不要になったとか、神を見捨てて勇者を辞める事で開放される人もでてくるみたいなのでいいのかなと。
◆再構築、友奈は勇者である物語。
主人公が部長の部活動で周りの人を助けてそれで満足だったのが、神の力を得て勇者になり、世界とかもっと多くの人を助けられるようになった事に喜びを感じていた。部のメンバーも(主人公に感化された適正上昇で)同じく勇者に選ばれて、勝手知る部員達とのある意味新しい壮大な部活動に、楽しさすら感じていた。大赦という組織からのサポートや情報提供もあり、その活動は順調に見えた。
しかしある時、何体目かの強力なバーテックス出現時に、ぼろぼろになる仲間を助ける為に主人公は満開という未知の力を開放する。そして、体の一部を欠損する。心配をかけないために、誰にもばれずに誤魔化していたのだが、部員の数名も主人公に引っ張られるように次なる強敵を前に満開をしてしまい、欠損する。
時を同じくして、主人公はテロ組織や手記を通じて、生け贄とも呼ぶべき勇者の存在の意味を知る。どうすればいいのか迷っているときに、主人公が黙っていた事で、殻の一部を失ったメンバーからの棘のある発言や、さらにさかのぼっての主人公のせいで勇者に選ばれた可能性があるという事実が主人公を苦しめる。一部メンバーは自暴自棄になったりも。
意を決して、自分が知りえた事実を話すも、知っていて黙っていたように見えて逆効果。さらに追い詰められる主人公。自暴自棄になったメンバーが、東郷のように破壊活動をする。ソレをとめようとする主人公は、もはや完全に敵扱い。
満開の本当の意味に、色々なメッセージから気づく主人公。メンバーらを代償から開放させることに成功し、自分は人間すら超越し新たな祈りで敵をなぎ倒していく。その混沌の中で、呼び止める声(百合)で、主人公も人間として踏みとどまる。全員は倒せなかったけど、主人公の心の力で、10年間の平穏を獲得。勇者部は、真の世界を救う勇者となるべく勇者組織として、頑張る事を決意!!みたいな。