父性と教育
1,人を育てるに当たって、どういう教育や影響力の与え方があるのか。
2,自分が純粋に家族を持ったときに、どういう態度をとればいいのか
この2つの目的を持って、父性的な教育。父親的な教え方などに関わる本を見て、父という存在と教育について考えてみる。というか本の要約と整理をした。
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■そもそもコドモを育てるとはどういうことか
子供の社会化を手助けすることである。社会化とは、自立して社会で生きていけるようになることだろう。
■父性の役割と母性の役割
父性とは、社会の規範やルール、道徳、価値観を子供に権威的に教えること。言い換えるなら、1人の人間として生きてきて、正しいと思ったことを、子供に伝えていくことである。もっと単純にすると『善悪』を教えることである。例えば、他の人と順番におもちゃを使いましょう。といった社会のルールを教えるのである。
ここで誤解して欲しくないのは、父性=性別的な男ではなくて、そういう役割を指している。つまり、女性であっても、父性を演じることは出来るし、逆に男性であっても父性ではなく母性でしか子供に接しないこともありうる。
一方、母性は子供の不安や心配を和らげるような安心させてあげることである。
■父性を上手に実行するうえで、必要な条件
社会のルールを子供に教えるのだが、その教え方次第で効果が違う。いくつか良い教え方に関わる注意事項を書く。
●態度は自信をもつこと、自分の価値をまずはしっかりと伝えること
価値観を強制するのは良くないと思うかも知れないが、子供自身にまだ価値観というものが成立していないのである。そのため、まっさらな状態に何かを判断する1つの価値巻として、まず親の(自分の)価値観を自信持って伝える必要がある。
●リーダーとして接すること
父の教えに常に母が反発したり愚痴を漏らすような場合では、子供はどちらを信じればいいかわからなくなる。そして接することが多い母に傾斜し、父を尊敬しなくなる。そうすると父の発言の説得力がなくなる。だから、父と母の関係が良好であり、どういう風な社会のルールを教えるかということで共通の方向性がなければならない。
■父性が家庭に無かった場合どうなるか
友達親子や、放任教育ではこの父性(価値観を教える)がうまくなされない場合がある。こういったときに、子供はどうなるかと言えば、社会の秩序を教えられないわけだから、自分の思い通りになるはずという甘ったれ(わがまま)になるか、なぜ学校の掃除をしなくちゃいけねーのといった基本的なルールに従う事が出来ない子になる。基本的なルールとは慣習と言い換えても良いのかも知れない。完全な論理で説明できなくても皆が守ることで社会の調和が保たれるような決まり事である。
■しかし、父性がいきすぎていた場合はどうなるのか
しかし親のルールでがんじがらめになると、子供は次のようになる
・他人の教えに抗うようになり、人の言うことに反抗的になる
・他人の教えに追従するようになり、人の言うことに隷属的になる。
・他人の教えを追従するようになり、自分の意見や考えに自信が持てず無気力になる
では、父性のバランス感覚はどうすればとれるのかという疑問が出てくると思う。
しかし、これは子供の年齢に応じて接し方を変えるという解決法が示されている。
■バランス。1次思春期と2次思春期
1次は幼少期であり、2次は中高のいわゆる反抗期に該当する。一次の頃は、子供が肉体的精神的にあまりに未成熟なため、父親に全幅の信頼をよせている。だから1次の頃は、なんの迷いもなく秩序を教えられる。一方で、2次は、それなりに成長したたため子供には、父親が神様のような絶対的な存在でなくなってきている。そのため、父の教えから脱却し、自分独自で秩序を再構築しようとしている時期が反抗期なのである。だから、二次の時には、行動の結果まで束縛するのではなく、父性としての教えを再度伝え直して、一緒に協議するのがよいのではないだろうか
■まとめ
父性とは、社会のルールを教えること。
それは信念を持って、家族全体で教えていくこと
それがないと子供は、
わがままになるか、無秩序になるか、
ただ、父のいうことは絶対だとまでに強制しつづけるのはいけない。
それは、子供の成長を認めて徐々に子供の考えや意見を尊重していく必要がある。