シバトラを視て
相手のことを考えて心を砕く。その具体例の宝庫の漫画だ。以前は、自分の中で臭いタイプの漫画だとしか思っていなかった。臭いタイプって言うのは、例としてあげるなら、ショムニだとかGTOだとかのドラマを見ているときの感覚だ。紋切り型の決め台詞が残り10分で一言流れて、それで悪人の心が変わる。そんな感じの作品のことだ。
- 作者: 安童夕馬,朝基まさし
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/11/17
- メディア: コミック
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しかし、作品の質によるのかシバトラは、相手のことを考えて心を砕くところまで臭い台詞を昇華させていたように思う。おそらく臭い台詞と今まで感じていたのは、どこかの本だとか、偉人の台詞だとか、そういうものをつぎはぎしてキャラクターに語らせていたからだと思う。その程度の”なんとなく””万人受け”する言葉をいわれても心に響かずに臭いだけなのだ。
誰かの心を動かすこと。これは非常に難しい。相談やアドバイスをする仕事をしているが、言ったことの30%ぐらいしか伝わっていない。それは思考の流れ全体をトレースしきれていないということであり、ソレを踏まえて次にすぐやるべき事がみえていないということである。
シバトラは所詮創作ではあるため、キャラクターの決め台詞で話が落ちるように緻密に設計されているだろう。だから、鵜呑みにしようとはおもわない。しかし、どんなに設計されていたとしても相手のために心を砕くこと。相手の今後の人生すべてを背負うぐらいの責任をもって話そうとすること、接することが、やはり大切なんだと学ばされた。