とにかく考えた、事・方法論を書くことにした。

最近は雑記ばかり。サーフィンと読んだ本に関して考えた事などを書いていきます。

deep-sea fishes in gloom フリーゲーム 動機の解読?解説?


今さっき全エンディングを見てきたのだが、どうにも釈然としない・・・。トリックや犯人はわかったが、結局真犯人がこの事件を起こした動機がいまいちよく分からなかった。ということで、根拠が乏しいが無理やり動機を推量してみた。

以下は完全ネタバレです。



■大切なものが壊されるのを守りたい。

真犯人:智形
○動機
   大切なもの:九美と八重の二人の人生観・思想または関係性
   壊す   :秦元によって、無理やり唐突に現実の価値観に染められること
   守る   :サンタの絵本(現実の価値観を表現している本)を燃やすこと



―――やはり私は彼女たちのファンなんだろうな。


上記台詞から、智形にとっては大事な二人の考えや関係性等を守りたかったのだと解釈できる。そして、今回の犯行はサンタの本を燃やすことであったが、それは、サンタの本来の意味(良い子にしていたらプレゼントをあげる)がのっている絵本を二人に見せたくなかったのだ。守りたい二人の関係性などの1部として、良い子と悪い子を区別しないでサンタはクッキーをあげるという話があげられている。本来の意味を隠すことで、1部ではあるが彼女たち独自の考え方を残したままにしたかったのだろう。



■智形にとって、二人のような関係性がなぜ大切なのか??

さらに問をすすめると、この問に行き着く。

――ー私にわかるものか。私がきれいだと思ったものを守るためにすることがこんなに醜悪な・・・


ということで、製作者からの完全な丸投げを感じるが・・・。笑 智形は、秦元が彼女たちを現実の価値観に連れ出す存在であることも肯定したうえで、時間稼ぎ的な行為であることも自認している。それを認めてしまっているのならば、二人の関係を永遠に守るべきものと絶対的に捕らえているわけではないことがわかる。だったら智形は何を大切に思い、本当に守りたかったものはなんなのだろう。



■大切に思い、本当に守りたかったもの

1、自分と重ねあわせた彼女たちの未来
永遠に守りたいのであれば、秦元を殺害するあるいは秦元の考えを完全に変えなければならない。しかし其処まではしていない。それらを踏まえると今回の犯行で智形が得ようとしたものは”時間稼ぎ”だと言える。
では、彼女たちにとっての時間がどういう意味を持つのか。それは急激な環境変化ではない徐々に変化することである(深海魚の話)。つまり、彼女たちが上手に現実(通常の社会)に適応することを智形は望んでいるのではないかと想像できる。
ではなぜ時間による適応を智形は重要視するのかと言えば、自分の傍で過去に同様のことがあったのではないかと推測する。大切な人または自分自身のこととして。主人公が智形と九美を雰囲気が似ていると表現していることから、智形自身のこととして、空想的・理想的な考えと現実のギャップを感じたことがあったのだろう。同様に施設出身であるためにそのギャップが生まれたのかといったギャップの発生原因は推測できないが、おそらく同様の経験から時間の大切さを感じ二人に十分な時間をあげたかったのだと思う。




2、智形の考えではなく、作者から読者へのメッセージ
具体的なキャラクターの考えを表現しなかったのは抽象化を図るためである。あるいは、智形のキャラを通して表現するつもりがなかったと考えると、それは読者へのメッセージとなる。


――ー私にわかるものか。私がきれいだと思ったものを守るためにすることがこんなに醜悪な・・・


この台詞こそが、作者が読者に伝えたかったメッセージであり、人間というものは綺麗なものを守るために無意識にあるいはなにげなく醜悪なことをしているというテーマだと解釈できる。


■最後に

まぁ色々書いたけれど答えは製作者のみぞ知る。