とにかく考えた、事・方法論を書くことにした。

最近は雑記ばかり。サーフィンと読んだ本に関して考えた事などを書いていきます。

アリストテレスの論理学  説得術・弁論術

相手を説得するためには、どういう論理やたとえ話などを用いると効果的なのだろうか。その説得あるいは弁論を考える題材に、古典のアリストテレス論理学を読んでみた。彼は様々な領域において弟子や市民に教えを説いていて、例えば『正義とは何か』などを非常にわかりやすく説明している。そういった相手を納得させ説得する彼の手腕を真似したい。

参考文献(引用?資料?) 『論証のレトリック』講談社現代新書

論証のレトリック―古代ギリシアの言論の技術 (講談社現代新書)

論証のレトリック―古代ギリシアの言論の技術 (講談社現代新書)




アリストテレス論理学。レトリックについて

アリストテレスは、有名なアリストテレス論理学という1学問体系を打ち立てた。このアリストテレス論理学は”現代的な論理学”とは多少異なり、より様々な学術的分野を包括している。アリストテレス論理学において、”レトリック”とアリストテレスが分類した中に、上述の説得に関する考えが書かれている。アリストテレスがこういう記述をした背景としては、有名なようにポリス時代は弁論の時代であり、市民同士の議論や、裁判において「どちらが悪いのか」等の弁論術(説得する技術)が重宝されていたからだろう。



アリストテレスの教え 基本的視点

証明するために準備する3要素

●説得立証:証拠探し・証拠選び
●配列法: 証明の構成 序言(序文)、論題提起(問題提起)、説得立証、結諾(まとめ)
●修辞法: たとえ話・引用・話のわかりやすさ・文法などなど
つまり、証拠、構成、表現技術の3つである。

説得のコツ(準備が終わった後で、それをいかに魅力的に組み立てるか)、

●論題設定を明確にすること(何について、なぜ話すのかを説明する)
●説得立証を行うこと (論題についていい説明を行うこと)
つまり、今から話すことが”どういう価値”や意味を持つのか聞く人と共有できるよう注意すること。例えば、ある調査を報告する際にこの調査がどういう意図や意義を持つのか序文で述べるようなものだ。そして、材料をどう見せるか熟考する。


■説得立証の深掘り(材料の魅力的な見せ方の詳細)

●説得立証の2分類(物事を証明するときの基本原則)
1,説得推論(演繹) AがBである。B=Cなら、CもAである。
2,例証(帰納) 例えば、AやBやCがそうであるように、今回のことも・・・・




●無技術の説得立証:法律や犯罪など既に決まったルールの中での証明。証拠は何をしめせばいいか決まっているために、どういう証明をすればいいか迷わない。
●有技術の説得立証:上以外の場合の説得。相手を説得するために自由なプロセスを要求されるもの。
  
自由な話の組み立てが出来る場合と定型を使う場合がある。定型は何をどういう構成で示せばいいかわかっているため、あえて考えるまでもない。つまり、自由な証明の場合(日常生活での選択肢の選択や、企業活動における選択肢の選択などの完全な証明ができない分野)では魅力的なみせかたを熟考する必要がある。


有技術の説得立証(証明)の技術説明(完全な証明ができない時に何に訴えて心を動かすか)

●ロゴス(言語・理性)に訴える
●ぺートス(人格・信頼)に訴える
●パトス(感情・情熱)に訴える

つまり、
・無駄や証明不足をおこさないこと(わかりやすさ)で理性を刺激。
・話し手自体への信頼感→話す内容への信頼感を導くために、自己紹介や自分の目的を話す。
・聴衆が同じような感情を抱くように、「皆さんも経験したことあるんじゃないでしょうか?」とかを言う。




聴衆への説得立証では、一般の人がもっている基本通念を利用して説明できるかが鍵となる。というのは専門家同士の場合ならば、例えなどを用いずとも、具体論で語り合うことが出来るからである。その事柄についてよく知らない人に話すには、より一般的な通念を前提に(帰納や推論の材料に)する必要がある。次からは、アリストテレスの考えた、この固有トポス(基本通念)の素材集をみていく。ざっくりいえば、パトスヤペートスに訴える表現事例集みたいなもの。「困難なものができる人は、より簡単なものができる」等



アリストテレスの固有トポス

考察としてみる分には面白いが、説得のテクニックとして利用しやすいものではない。部分ー全体や、三段論法などの論理展開の形式を説明しているだけだからである。ここまで掘り下げなくても、無意識に実行している部分だから、そこまで参考にならない。